急性気管支炎を契機に発症した気管支喘息として治療され診断が遅れた気管支結核の1例

Abstract

症例は30歳代の女性。繰り返す喘鳴、および発熱を主訴に近医を受診した。上気道感染症とそれに伴った気管支喘息発作と診断され、約6ヵ月に渡り吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬配合剤と抗菌薬治療を行われ、寛解と増悪を短期間で繰り返していた。難治性喘息と考えられ紹介となったが、聴診上wheezingを聴取する以外に気管支喘息を支持する所見に乏しく、胸部CT検査を施行したところ左主気管支の狭窄と両肺野にびまん性に粒状影を認めていた。気管支鏡検査を施行したところ、左主気管支に白苔を伴った潰瘍性病変を認めた。気管支吸引痰にて抗酸菌を認め、PCR法で結核菌陽性であり気管支結核の確定診断を得た。気管支結核は喘息との鑑別に難渋することがあり、診断の遅れが問題となることが多く、文献的考察を加えて報告する。(著者抄録

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