体重増加不良を契機に診断された幼児1型糖尿病の1例

Abstract

1型糖尿病(T1DM)では初診時に9割に多飲多尿,5割に体重減少を認めるといわれているが,幼児1型糖尿病は非特異的な症状を呈する場合が多く,診断までに時間がかかることがある.われわれは体重増加不良を契機に診断された幼児1型糖尿病を経験した.症例は1歳6か月の女児.健診で体重増加不良を指摘され1歳8か月の時点で体重減少に加えて多飲を認めたにもかかわらず経過観察とされ,1歳10か月時点で糖尿病と診断された.診断時には高浸透圧高血糖(HHS)の状態であった.成長期における原因のはっきりしない体重増加不良を認めた場合には1型糖尿病を念頭におき,丁寧な問診を行い,積極的な血糖測定を行う必要がある

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