学生による授業評価は授業の改善に役立っているのか?[研究ノート]

Abstract

評価には総括的評価と形成的評価がある。我が国における学生による授業評価は,当該科目のすべての授業が終了した時点でその授業全体を学生に評価させる総括的評価として実施されることが多い。本研究では,学生による授業評価をより“形成的” にするため,科目が開講されている途中で学生に複数回授業評価を求め,それが授業の改善に役立っているかどうかについて検討した。2 つの講義科目(「教育心理学」と「行動分析学」)の受講生を対象に,授業内容・授業方法を問う10 の質問項目からなる授業評価を複数回実施したところ,平均評価値は授業回数が進むにつれて増加傾向を示した。科目開講中に学生による授業評価を実施することは,「授業内容や授業方法が学生の希望する方向に変化した」という意味において授業の改善に有効であったと考えられる

    Similar works