産業構造転換と環境負荷の関係 : 北九州市と大連市の比較研究を中心に

Abstract

産業構造転換は環境問題に大きな影響を与えてきた。かつて、高度成長期の日本は重化学産業の発展に伴い深刻な公害問題が生じたが、産業構造転換や技術革新などにより短期間に公害問題を克服した。イェニッケらは産業構造転換と環境負荷との関係をエコロジー近代化論の視点から国際比較分析を行った。本論文では、同じ重化学工業都市として、20年間にわたり環境国際協力を実施してきている北九州市と中国の大連市を研究対象とする。社会経済制度の特徴を踏まえた上で、産業構造を規定する技術変化・部門間変化・経済成長の各要因から、両市における産業構造転換と環境負荷の関係を探り、両市の産業政策及び環境政策を評価し、また北九州市の失敗とその克服の経験を大連市に伝えるべきこと、そして大連市の中国における環境モデル都市としての成否などを検討した

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