現代におけるケインズ・マクロ経済学の再考 : (1)財市場条分析を中心に

Abstract

70年代のスタグフレーションを契機に、ケインズ主義的経済政策は終焉したと言われ、その後新自由主義が台頭し、現在では格差社会が拡大している。本論の課題は、ケインズ自身の著作を紐解くことを通じて、当時のイギリス経済の彼の見解を再考することによって、現代経済との共通の問題点を明らかにすることである。ここでは、ケインズの分配論に焦点を当て、そこから導き出される有効需要論・技術選択、資本係数などの諸論点を、置塩理論を手がかりに、ケインズ自身の分析が今なお意味を持つことを明らかにする。約80年前の彼の著作からわれわれは何を見出すことができるのか。技術選択・資本係数が決定的な要因をしめることを本論では明らかにしたい

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