中国人日本語学習者の「念押し」表現に見る母語の影響 : I-JASのロールプレイにおける依頼表現に基づいて

Abstract

会議名: 言語資源活用ワークショップ2017, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年9月5日-6日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター「念押し」表現とは,「今,週三日働いていますが,二日にしたいです。いいですか?」「昼食を食べるなら和食が好きです。よろしいですか?」の「いいですか?」「よろしいですか?」のように,話し手の意向や要望などのまとまりのある文の後に,聞き手に是非を確認する疑問文形式の表現を指す。本研究は,多言語母語の日本語学習者横断コーパス(I-JAS)のロールプレイに見られる「念押し」表現が中国語話者に多く見られたことから,母語の影響を考え,その可能性を探ることを目的とする。日本語学習経験のほとんどない中国語母語話者同士12組および日本語母語話者15組を対象として,同じロールプレイを実施し,「念押し」表現の出現を比較した。その結果,日本語母語話者には出現しなかったのに対し,中国語母語話者同士では,12組中8組(67%)の割合で「念押し」表現が使用されており,中国語の母語の影響の可能性が高いことが明らかになった

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