科学研究費補助金研究成果報告書研究種目: 基盤研究(B)研究期間: 1998～2000課題番号: 10480212研究代表者: 安原 治（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助教授）研究分担者: 木村 宏（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授）研究分担者: 遠山 育夫（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授）研究分担者: 相見 良成（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助手

AIMI Yoshinari

KIMURA Hiroshi

TOOYAMA Ikuo

安原 治

木村 宏

相見 良成

遠山 育夫

Research Paper科学研究費補助金研究成果報告書研究種目: 基盤研究(B)研究期間: 1998～2000課題番号: 10480212研究代表者: 安原 治（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助教授）研究分担者: 木村 宏（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授）研究分担者: 遠山 育夫（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授）研究分担者: 相見 良成（滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助手）research repor

安原, 治

木村, 宏

KIMURA, Hiroshi

遠山, 育夫

TOOYAMA, Ikuo

相見, 良成

AIMI, Yoshinari

Shiga University of Medical Science Repository BI WAKO / 滋賀医科大学機関リポジトリ

神経細胞mRNAスプライシングの人工制御法による脳機能解析著者 安原 治, 木村 宏, 遠山 育夫, 相見 良成発行年 2001-03その他の言語のタイトルStudies on Neuronal mRNA SplicingURL http://hdl.handle.net/10422/6553神経細胞mRNAスプライシンク‘の人工制御法による脳機能解析(課題番号:1 048 021 2) 平成10年~平成12年度科学研究費補助金基盤研究(同(2) 研究成果報告書平成13年3月研究代表者安原 ミム，口(滋賀医科大学分子神経科学研究センター・助教授)神儲回目包mRNAスプライシンク、の人工制御法による脳機台鵠卒中斤(課題番号 10480212) 平成10年~平成12年度科判汗究費補助金基盤研究 (B) (2) 研究成果報告書平成13年3月研究代表者 安原 治(滋賀医科大学先守神経科学研究センター・助教授)111111111111111111111111 目次1.研究組織及び研究経費 . . . . . . . 2 2.研究発表( 1 ) 学会誌等 . . . . . . . 3 ( 2 ) 口答発表 . . . . . . . 4 3.研究成果( 1 )研究成果概要 . . . . . . . 6 ( 2 )主要論文 . . . . . . 8 • ?• 研究組織及び研究経費( 1 )研究組織研究代表者:安原 治(滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助教授)研究分担者:相見良成(滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・助手)遠山育夫(滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授)木村 宏(滋賀医科大学・分子神経科学研究センター・教授)( 2 )研究経費平成 10年度平成 11年度平成 12年度計-2 -4，800千円4，300千円3，000千円12，100千円研究発表( 1 )学会誌等1. Aisaka， A.， Aimi， Y.， Yasuhara.O..， Tooyama， 1.， Kimura， H.， Shimada， M.， Two modes of corticospinal reinnervation occur close to spinal targets following unilateral lesion of the motor cortex in neonatal hamsters. Neuroscience 90 (1999) 53-67. 2. Tooyama， 1. Nishimura， T.， Nakagawa， E.， Morita， H.， Uemura， S.， Aimi， Y.，Yasuhara.O..， Kimura， H.， Microglial reaction and neuronal death in the hippocampus of rat models of epilepsy. Neuropathology 19 (1999) 203-208. 3. Nakanishi， Y.， Tooyama， 1. Yasuhara.O..， Aimi， Y.， Kitajima， K.， Kimura， H.， Immunohistochemical localization of choline acetyltransferase of a peripheral type in the rat larynx. J. Chem. Neuroanat 17 (1999) 21-32. 4. Nakagawa， E.， Aimi， Y.， Yasuhara. 0.， Tooyama， 1.， Shimada， M.， McGeer， P.L.， Kimura， H.， Enhancement of progenitor cell division in the dentate gyrus triggered by initial limbic seizures in rat models of epilepsy. Epilepsia 41 (2000) 10-18. s. Nakajima， K.， Tooyama， 1.， Yasuhara. 0.， Aimi， Y.，Kimura， H.， Immunohistochemical demonstration of choline acetyltransferase of a peripheral type (pChAT) in the enteriC nervous system of rats. J. Chem. Neuroanat. 18 (2000) 31-40. -3 -( 2 )口答発表1 . Kimura， H.， Aste， N.， Nakajima， K.， Aimi， Y.， Yasuhar孔 0!.，Tooyama， 1.: Peripheral type choline acetyltransferase: molecular neuroanatomy. XV Congress of the International Federation of Associations of Anatomists (4th InternationaI Malpighi Symposium)， Rome， Italy， 1999. -2. Yasuhara.O..， Tooyama， 1.， Aimi， Y.， Bellier， J.-P.， Aste， N.， Kimura， H.: Retinal ganglion cells of the rat express an alternative splice variant of choline acetyltransferase. 30th Annual Meeting of Society for Neuroscience USA， New Orleans， U.S.A.， 2000. 3. Hirouchi， M.， Aoki， Y.， Itoh， Y.， Oka， M.， Yasuhara.O!.， Tooyama， 1.， Kimura， H.: Reversal by NS-7， a neuroprotective agent， of decrease in mRNA expression for cAMP responsive element binding protein after middle cerebral artery occlusion in rats. 30th Annual Meeting of Society for Neuroscience USA， New Orleans， U.S.A.， 2000. 4. 安原 治、遠山育夫、相見良成、木村 宏:網膜神経節細胞の一部はコリン作動性である。第 22回日本神経科学大会(大阪) 1 9 9 9。5. 相見良成、遠山育夫、安原 治、木村宏:ラット後根神経節における末梢型コリンアセチルトランスフエラーゼの免疫組織化学。第 22回日本神経科学大会(大阪) 19990 6. 挟間玄以、安原 治、遠山育夫、相見良成、木村宏:正常マウス脳ミクログリアは IgGを産生する。第 22回日本神経科学大会(大阪) 1 9 9 90 7. 佐藤晴久、遠山育夫、安原 治、木村宏:アルツハイマー病患者剖検脳の固定薄切標本を用いた補体 C1qの mRNA解析。第40回日本神経学会総会(東京) 1 9 9 9。8. 相見良成、遠山育夫、安原 治、木村 宏:一次知覚神経における末梢型コリン合成酵素(pChAT)の免疫組織化学。第 105回日本解剖学会総会(横浜) 2 0 0 0。-4 -9. 深尾繁治、遠山育夫、相見良成、安原 治、木村宏:ラット上頚神経節脳内移植後のコリンアセチル基転移酵素含有神経の免疫組織化学的研究。第 15回神経組織の成長、再生、移植研究会学術集会(岡山)、 2000。1 O. 中島恭二、遠山育夫、相見良成、安原 治、木村 宏:ラット腸管神経系における末梢型コリン合成酵素の免疫組織化学的検討。第23回日本神経科学大会(横浜) 2 0 0 0。1 1.松尾明典、金山秀彦、相見良成、左足並、遠山育夫、岡部英俊、木村宏:隆起乳頭体核にコリン作動性ニューロンが存在する。第23回日本神経科学大会(横浜) 2 0 0 0。1 2. 佐藤晴久、安原 治、遠山育夫:アルツハイマー病と非神経疾患対照例の側頭葉固定薄切標本を用いたタウ遺伝子の選択的スプライシングの解析。第41回日本神経学会総会(松本) 2 0 0 0。1 3. 遠山育夫、安原 治、鹿毛異人、秋口一郎、松本禎之:運動ニューロン疾患の脊髄における酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)について。第 4 1 回日本神経学会総会(松本) 2 000。1 4. 安原 治、遠山育夫、相見良成、ジャンピエール・ベリ工、木村 宏:ラット虹彩におけるコリン神経支配:末梢型アセチルコリン合成酵素を用いた検討。第41回日本組織細胞化学会総会(高知) 2 0 0 0。1 5. 相見良成、二宮孝文、遠山育夫、安原 治、木村宏:培養後根神経節におけるアセチルコリン合成能の証明。第 106回日本解剖学会総会(高知) 2001 (予定)。1 6. 松尾明典、安原 治、遠山育夫、阿部英俊、木村宏:コリンアセチル基転移酵素のスプライス・バリアント pChATの脳内分布。第42回日本神経学会総会(東京) 2001 (予定)。-5 -研究成果概要本研究代表者らは、「神経細胞 mRNAの選択的スプライシングの解析とその人工制御法の確立Jのため、平成 10年度文部省科学研究費補助金 (B)をうけ、研究期間の 3年間に以下の成果を挙げた。1.神経細胞 mRNAの選択的スプライシングの解析， ( 1 )タウタンパク:タウタンパクには選択的スプライシングによりチュプリン結合ドメインがそれぞれ3個または 4個の 3リピートタウと 4リピートタウがあり、微小管重合促進能に差がある。国定薄切切片からの mRNA解析によって、ヒトの非神経疾患の大脳皮質では3リピートタウが主体であるのに対し、アルツハイマー病大脳皮質では4リピートタウの比率が上昇する乙とを明らかにした(口答発表 12)。( 2 )コリンアセチル基転移酵素 (ChAT):最近、本研究者らはアセチルコリンの合成酵素であるコリンアセチル基転移酵素 (ChAT) に選択的スプライシングによる亜型が存在することを明らかにし、この亜型(pChAT)に対する特異抗体を作製した。この抗体を用いてラットの全身の神経系を免疫組織化学的に検討したところ、 pChATは末梢のコリン神経に優位に発現していることが判明した。特に末梢臓器として喉頭、腸管、虹彩を詳細に検討したところ、従来の ChAT抗体では検出出来なかった副交感神経が鮮やかに描出された。また、従来、コリン作動性と考えられていなかった一次感覚神経系においても pChAT陽性細胞を認め、コリン作動性一次感覚神経系の存在を示唆した。さらに、 pChAT陽性神経は中継神経系にも存在することを明らかにした。すなわち、網膜神経節細胞と一部の視床下部ニューロンである。これら新しく同定された pChAT陽性神経含有組織について RT-PCR解析を行い、 pChAT型 mRNAの発現を確認した。以上の成果は従来のわれわれのコリン神経の理解に対して見直しを迫るものであると言える(口答発表 1、2、4、5、8、9、1 0、 1 1、 1 4、 1 5、1 6、論文発表3、5、および数篇投稿準備中)。2.神経細胞 mRNAの選択的スプライシングの人工制御上記のデータをもとに、ラット網膜を対象として ChATを pChATへ人工的に変換する方法の確立を試みた。網膜における ChATの発現を対象に選んだ開巾は、(1 )網膜へのアプローチが容易であること、 (2) pChAT抗体を保有しているため、 ChATから pChATへの分子変換が比較的容易に検出可能であると考えられること、(3 )上記解析によって、アマクリン細胞がChATを含有し、神経節細胞が pChATを含有することが明らかとなり、 2種類の細胞による ChAT分子種の使い分けが明かとなったこと、などである。pChAT型 mRNAはChATmRNAのエクソン6-9を欠知する。したがって、-6 -第5イントロンと第6エクソン接合部(IS-E6接合部)、 16-E7接合部、 17-E8接合部、 18-E9接合部に対して、それぞれ20塩基のホスホロチオエー卜・アンチセンスオリゴヌクレオチド (s-アンチセンスオリゴ)を作製し、ラットの眼球内に投与した。このうち、 17-E8接合部に対する s-アンチセンスオリゴによって、一部のアマクリン細胞が pChAT陽性となり、 RT-PCRによっても pChAT型 mRNAの発現元進の可能性が示唆された。以上の所見はスプライシング変換に対する s-アンチセンスオリゴの有用性を示唆するものであるが、通常型の ChATの発現は免疫組織化学的にも RT-PCRでも殆ど変化が認められず、今後精密な定量的解析が必要である。3. 今後の展望pChATの発見は従来のコリン神経に対するわれわれの理解に新しい知見をもたらした。今後は pChATの酵素学的特性を明らかにすると共にジーンターゲティングなどの方法により、 pChATの機能的意義を明らかにしていきたい。さらに、 s-アンチセンスオリゴを用いたスプライシング変換法は、今回、その可能性を示唆することが出来たとは言え、未だ有用性を示すには至っていない。今後さらに技術的改変の積み重ねが必要である。-7 -

神経細胞mRNAスプライシングの人工制御法による脳機能解析

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Studies on Neuronal mRNA Splicing

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