洗濯条件が衣類のしわの発生に及ぼす影響

Abstract

衣服のしわには着用しわと洗濯しわがあるが、本研究では洗濯しわに着目し、洗濯工程すなわち洗浄、脱水、乾燥における種々の条件が衣類のしわの発生におよぼす影響について検討した。また、洗浄方式が異なる2種の洗濯乾燥機(パルセーター式、ドラム式)を用い、洗浄方式の違いによる洗濯しわへの影響についても比較検討を行った。 その結果、パルセーター式、ドラム式ともに、洗浄温度が高温になると組成にポリエステルが含まれる織物、編物はしわが発生しやすくなった。また、両機種ともに浴比が小さくなると、綿100%組成の織物は洗濯しわが付きやすくなる傾向が見られた。現在、節水型洗浄に伴い低浴比化が進んでいるが、繊維組成によっては過度な低浴比化は望ましくないことが示唆された。また、2機種の洗浄時間、温度、浴比、脱水時間、乾燥方法の条件を同一として処理し、洗濯しわの評価を試みた結果、本実験で使用した洗濯機種の場合、パルセーター式に比べてドラム式の方が、しわ評価値は低く、しわが発生しにくかった。洗濯条件に加え、洗浄方式によって洗濯しわ発生への影響が異なることが示唆された。また、そのような傾向はポリエステルおよびその混紡織物において顕著であった

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