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審査論文 ヒト線維芽細胞培養系を用いたセイヨウオトギリソウ抽出物の創傷治癒に及ぼす効果
Authors
JUN NOMURA
SATOMI TOMOKIYA
+8 more
SAYURI TAKAHASHI
TOSHIKAZU SUZUKI
YUMIKA MORISE
友木屋 理美
森瀬 結実香
野村 純
鈴木 敏和
高橋 沙由里
Publication date
1 March 2012
Publisher
和洋女子大学
Abstract
セイヨウオトギリソウは、発熱性疾患の解熱、利尿促進、創傷治癒など様々な疾患に効く薬草として、古くから使用されている。最近、セイヨウオトギリソウは軽度のうつ症状を改善する薬草として着目され、うつ症状改善の分子機構の解析も精力的に行われている。一方、創傷治癒促進効果の機構については不明な点が多く、また分子機序を調べた研究が非常に少ない。本研究では、セイヨウオトギリソウ成分をエタノールで抽出し、ヒト線維芽細胞を用いたin vitro 創傷治癒モデル系における影響を調査した。セイヨウオトギリソウ抽出物は、2%ウシ胎児血清を含む培養条件では、4 μg/mL以下の低濃度においてヒト線維芽細胞の創傷部位とみなされる隙間空間への移動を促進した。6-8 μg/mLでは濃度依存的に細胞の移動促進効果が失われ、10 μg/mLでは、細胞の移動を阻害した。1%ウシ胎児血清を含む培養条件では、セイヨウオトギリソウの阻害効果の方が強く、移動促進のピークは観察されなかった。また、線維芽細胞の創傷部位への移動に関与するフィブリン溶解活性、およびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子およびプラスミノーゲン活性化因子阻害因子-1の発現は、4-6 μg/mLのセイヨウオトギリソウ抽出物添加により促進されたが、10 μg/mLでは促進効果が消失した。以上の結果より、セイヨウオトギリソウ抽出物には、in vitro モデル系における創傷治癒を促進する成分と阻害する成分の両者を含むことが示唆された
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Last time updated on 30/10/2019