Abstract

1)モウソウチク(Phullsstachys pubescens MEZEL)のタケノコにβ-アミラーゼが存在することを知り,その分離,精製およびこのβ-アミラーゼの性質の解明を試みた。2)タケノコ中のβ-アミラーゼ活性は先端部が最も高く,基部が最も低く,中央部は両者の中間にあった。3)タケノコに水を加えミキサーで細挫し,低温で遠心処理し,酸性にして混在する恐れのあるα-アミラーゼを破壊したのち,塩折,透折,遠心処理などにより粗酵素標品を得た。4)粗酵素標品はDEAE-CelluloseカラムクロマトグラフィーおよびBio-Gel P-100ゲル濾過により精製し,最終的には電気泳動的に単一のバンドが得られるまで純化した。これをβ-アミラーゼの精製標品として以下の実験に供した。5)β-アミラーゼの確認は,可溶性でんぷんに作用させたときの生成物がマルトースであることおよびwaxy-maize starchの分解様相によった。6)こうして得た純アミラーゼは最適pH5.5,安定性pH5.0∿8.0,最適温度55℃,km0.91%,分子量55,000∿56,000,等電点pH6.4であった。7)以上の特性をサトイモ,タケノコイモ,コムギ,オオムギ麦芽,サツマイモおよび微生物β-アミラーゼのそれと比較し検討を加えた。8)金属イオン,蛋白質修飾剤などの酵素活性への影響を調べた。またPCMBによる酵素活性の失活がシステインにより回復される事実から本酵素は分子内にSH基を有するものと推定した。本報告の一部は昭和60年度日本家政学会第37回年次大会において口頭発表したものである。終りに臨み,終始ご指導を賜わりました和洋女子大学御園光信教授,務台蔵人元教授,千葉大学矢吹 稔教授に深謝いたします。また本学元助手補横倉玲子さんにご協力いただきましたことをお礼申上げます

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