体育に肯定的な印象を持つための授業づくり\n : アンケートによる過去の体育授業に関する実態調査から

Abstract

近年わが国において,情報機器の発達や公共交通機関の普及,塾通いの増加,運動をする場の減少などから子どもの体力低下や運動離れ,それに伴った運動嫌いも未だ深刻な問題となっている.そのような状況において,学校体育では,運動の楽しさや面白さを伝えていき,生涯にわたって運動に関わる人を増やすための工夫をしていかなければならない.そこで本研究では,「体育嫌い」の発生要因を考察し,体育好きを増やす授業づくりの基礎的知見を得ることを目的とした.大学生138名を対象として,今まで受けてきた体育の授業へのイメージを調査し,体育の好き嫌いによって2群に分け,比較した.その結果,体育が好きな学生はそうでない学生に比較して,「肯定的なフィードバックを用いた体育授業」,「個性を考慮した指導を行う体育授業」,「学習者主体の体育授業」,「めあてを持たせた体育授業」を受けてきたと回答する傾向にあった.また,「競争の有無」が体育の好き嫌いに影響を及ぼすとの報告があったが,本研究で差は認められなかった

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