東南アジアにおける生活デザインのハイブリッド性についての調査研究/-プラナカン・デザインの現代的役割を探る試み-

Abstract

 本報告は、東南アジアの生活デザインにみられるハイブリッド性を探る試みとして、「プラナカン様式」という東洋(中国、マレー)と西洋を折衷、融合させたデザインに焦点をあて、その歴史的背景、建築、服飾、インテリア、生活用品等の生活全般におよぶデザインの特色および近年になって再評価されている現代的な意味について検討するものである。 2017年度はプラナカンの現状把握を目的として、マレーシア・マラッカおよびシンガポールにおいてプラナカン・デザインを代表するショップハウスの実態調査を中心に現地調査をおこなった。ショップハウスは1階を店舗等の商用、2階を住居として用いる長屋式の建築で、東南アジア各地の沿岸部にみられる。マラッカは17世紀中頃から華人の住居として建築され、20世紀後半に至るまで多様な様式のショップハウスが保存されている。そのファサードにみられる装飾の分析から多様な文化的伝統を組みあわせ、融合させていることが確認できた。シンガポールではショップハウスの修復整備が国家レベルでおこなわれている状況を確認するとともに、かつての経済的繁栄に対応した豪華で色鮮やかな装飾が特徴であることを理解した。 これを踏まえて継続的に調査研究をおこない、プラナカンの理解を深めることにする。This report attempts to make clear the hybridness of everyday cultural designs in Southeast Asia, through focusing on the Peranakan designs, which made compromise between Eastern cultures (Chinese, Malay) and Western ones. Peranakan designs including architecture, fashion and interior, are reevaluated as cultural heritage of national unity and tourism in Malaysia and Singapore. In this year, we carried out overseas researches on shophouses of Malacca and Singapore, in order to understand the actual conditions of Peranakan Design today. We could understand the variety of patterns of shophouses in Malacca, built from 17 to 20CE, which are reflected in decorative designs of façade of shophouses arranging Chinese motifs and European motifs We got very useful insights from these researches for deep understanding about design cultures of Peranakan

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