ヌキダシ オ ユルス フカシ ニツイテ

Abstract

付加詞からの移動は禁止されるという従来の研究に対して、Truswell (2011) は、付加詞が島を形成せず容認される事例を指摘している。本稿では、禁止される事例は定形節の付加詞であり、許されるのは非定形節の付加詞であるという事実を基に、それぞれが強い島と弱い島に対応することを指摘する。そして、Boeckx (2012) の主張を援用し、定形節の付加詞からの移動は, 移動する要素が項・非項に拘らず、 統語的な理由によって排除されると論じ、非定形節の付加詞からの項のwh 要素の移動は統語的に派生可能であるが、非項のwh 要素の移動は統語的な理由によって排除されると主張する。また、非定形節の付加詞から項のwh 要素が移動した事例の判断の多様性は、 Truswell (2011) が指摘するように非統語的な要因による。具体的な構造分析として、Borgonovo (1997) の提案を採用し、理論的な枠組みとしてStroik (2009) とStroik and Putnam (2013) のサバイブ・ミニマリズムの移動と素性の分析を援用して、上述の事例は説明できると提案する

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