給食管理実習中の手拭の細菌汚染(自然科学)

Abstract

集団給食作業中に使用された手拭の細菌汚染の実体を明らかにすることを目的として研究した。1)給食実習の調理に使用した手拭には,一般生菌10^7,大腸菌群10^4,ブドウ球菌10^4程度の細菌が汚染していた。2)手拭を汚染している細菌群は,水道水,中性洗剤の使用による洗浄によっても容易に除去されず,一般生菌,大腸菌群,ブドウ球菌など多数が残存した。3)手拭は洗浄後できるだけ速やかに乾燥しなければ,汚染細菌が著しく増殖するので,調理に使用した手拭は,洗浄,加熱殺菌,乾燥などの処理が衛生上必要である。4)手拭を汚染していた大腸菌群の中には,Escherichia coli, Citrobacter freundii, Klebsiella pneumonia, Enterobacter cloacaeなどに属する菌株が含まれ,特にEscherichia coliに属するものが最も多く分離され,ふん便からの汚染の可能性が示唆された。5)分離した34菌株のブドウ球菌は,7.5%NaCl培地中ですべてよく増殖し,10%NaCl培地では70%が増殖し,15%NaCl培地ではすべて増殖しなかった。また分離菌株中28菌株(82%)がmannitを分解した

    Similar works