中堅看護師から中間看護管理者への役割移行に伴う支援に関する文献検討

Abstract

中堅看護師は、専門的知識・技術に裏付けされた看護が実践できる自律した看護実践者であり、かつ看護組織において、看護実践以外にも後輩や学生の教育、リーダー業務や委員会活動など中心的役割を担う者として期待されている。しかし、日常業務に追われ、自己のキャリアを十分に発揮できず、役割が遂行できないという実情に苦悩している。先行研究では、役割の曖昧さがストレスとして離職の要因となったり、今の職位のまま仕事の続行を希望する中堅看護師が約90%あるとの報告があった。また、中堅看護師に対する支援として、上司からの承認やワーク・ライフ・バランスを考慮した組織的な支援体制の構築が重要との報告があった。一方、中間看護管理者は役割の変化に伴い、役割葛藤・困難さを自覚しており、中間看護管理者への支援に管理者研修、メンターの配置、組織的な教育体制などが重要と指摘されていた。このようにそれぞれの支援に関する研究は多数存在するが、中堅看護師から中間看護管理者に役割移行時の支援に焦点を当てた研究は見当たらない。そこで本研究は、中堅看護師から中間看護管理者への役割移行に必要な支援を検討するために、文献から中堅看護師と中間看護管理者のとらえる役割、役割遂行上の困難、および求める支援を明らかにすることを目的とした

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