精神看護における看護技術研究の傾向と今後の課題

Abstract

本研究の目的は精神科で実践される看護技術についての国内の先行研究を分析し、そこから見えてくる傾向と今後の課題を明らかにすることである。精神科の看護技術に関する14の先行研究を分析した結果、精神科における看護技術の定義や概念は記されておらず、研究者ごとの解釈で看護技術を検討していた。今後の課題としては概念構築のために、1人の患者が入院から退院して、安定した地域生活の定着後のある時期までの期間を縦断的に追跡していく研究が必要である。もしくは、疾患の種類や病期、患者の属性等を統一した研究成果を蓄積し、その成果を体系化していくことが実現可能な研究デザインである。今後、精神障害者の社会復帰や自立、エンパワメントを目指す看護技術が特に重要になってくることが考えられる。よって、これまでの研究には含まれていなかった就労支援や余暇活動の充実の視点も含めていくことが必要である

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