精神看護実習における看護大学生の対象理解の視点の置き方および情報判別の傾向に関する考察 : 構造判別図81事例の分析から

Abstract

原著Original Article精神看護実習において、看護大学生が対象者(患者)を理解していく際の、視点の置き方、収集される情報の種類や判別のバランスが、対象者の特性によってどのように影響されるかについて考察するために、学生によりスケッチされた「構造判別図」81事例を分析した。その結果、精神症状が多彩で関係構築が困難な対象者を受け持つ学生は、はじめに文化/社会学的側面から「内の目;人間科学的視点」を発動してかかわりながら、対象者を実存/人間学的側面において理解しようと試み、関係性の構築が比較的容易な対象者を受け持った学生は、「外の目;自然科学的視点」を多く発動する傾向があることが示唆された。また、対象者と学生の間性(あいだ性)を俯瞰しながらバランスよく介入していくツールとしての「構造判別図」を活用して適宜教育的な介入をおこなうことにより、学生の対象者の理解の仕方が主観的に偏りすぎたり、表層的に流れてしまう危険性が緩和されることが示唆された

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