現代日本語の漢字の意味分類

Abstract

現代日本語の表記に使われる漢字を意味別に分類することを試みる。その目的は,ある意味分野を表す類義・対義の漢字相互の関係を分析し,それらが形作る熟語を比較検討して,漢字の機能を分析することにある。一つの言語形式の用法を記述するには,他の言語形式との関係を述べることが必要である。ある形式が持つ用法は,他の形式との緊張関係の中で決まるものだからである。漢字の機能を分析するには,部首別や五十音による配列よりも,意味分野別の配列が有効である。検討する漢字の範囲は,とりあえず,常用漢字とする。その中で,類義の漢字がどのような語を作り,どのような語を作らないかを見ていく。本稿は,漢字の意味分類表の提示を目的とするが,その前に,いくつかの例で漢字の用法,特に語構成要素としての用法を分析し,漢字の意味による分類の有効性を確認する

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