ボアソナード「帝国民法草案註解」(3)

Abstract

ボアソナードによる旧民法典が現行法に大きな影響を与え、また、現行法の構造的な理解は旧民法の理解なくしてはありえないことは、現在の学説の共通の認識であることはいまさら強調するまでもないことであろう。ボアソナードは旧民法の準備草案を起草するにあたり、詳細な注解書(Boissonade, Projet de code Civil pour l\u27empire du Japon accompagnè d\u27un commentaire, tome 1~4)を残しており、同書は今なお参照する機会が多い重要な資料である。  ところが、同書の翻訳についてはボアソナード滞朝中に作られたと見られる「再閲修正民法草案注釈」(刊行年不詳)があるのみであり、しかも、法律用語または法概念が定着していない時代思潮を反映して、日本語としても分かりやすいものとは言いがたい。同書が現在かならずしも入手可能な図書とは言いがたい現状で、あえてボアソナードの同書を現代文に翻訳することも、それなりの意義があるのではないかと愚考し、ここに訳出することにした

    Similar works