プリアジャステッドアプライアンスで治療したClass I叢生患者における前歯の移動と安定性

Abstract

プリアジャステッドアプライアンスで治療されたClass I不正咬合患者36例(17.70±7.80歳)を抜歯群24例(男児3例、女児21例、17.30±7.10歳)と非抜歯群12例(男児4例、女児8例、18.40±9.40歳)に分け、治療前後の上顎前歯および下顎前歯の移動を評価した。抜歯群では、上顎および下顎切歯が後方に移動し、舌側傾斜がみられたが、下顎中切歯の歯軸は適切であり、condylar incisal angleは約90°であった。非抜歯群では上顎中切歯が前方に移動したが、下顎切歯のlabial proclinationによりcondylar incisal angleは減少した。切歯~第2大臼歯までの歯の平均幅、アーチレングスディスクレパンシー、irregularity indexは抜歯群の方が有意に大きかった。以上から、プリアジャステッドアプライアンスで治療したClass I叢生は、両群において保定時に良好な閉塞を示したが、上顎および下顎中切歯の移動には群間差がみられるため、症例に応じて治療戦略を変えるべきであることが示された

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