エナメル芽細胞の annular gap junction の分布とギャップ結合タンパク質Cx43 の変動

Abstract

ラット切歯エナメル芽細胞のギャップ結合の細胞内への取り込みを示すannular gap junction の分布を内エナメル上皮細胞からエナメル質内層と外層を形成している基質形成期エナメル芽細胞、さらには成熟期エナメル芽細胞に接する乳頭層細胞で透過型電子顕微鏡により調べた。また、ギャップ結合タンパク質のCx43 を蛍光免疫組織化学により観察した。この結果、分化期から成熟期に至るまで多くのannular gap junction が観察された。その一部はオートファジーにより処理されていた。遠位部細胞間結合装置のCx43 は内層と外層を形成するエナメル芽細胞で細胞間に見られ、それぞれの段階に必要なギャップ結合がこの場所で作られていることになる。一方内層形成から外層形成へ移行する少し前の段階で大きな斑点状のCx43 の蛍光が見られ、これは多くのannular gap junction がこの場所で作られていると考えられた。結論として、エナメル質形成のそれぞれの段階で大規模なギャップ結合の改変が起きていることが示唆された

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