移植後早期に再発したIgA腎症の1例

Abstract

症例は43歳、男性。IgA腎症による慢性腎不全にて16年間の血液透析を経て、生体腎移植を施行した(ドナー:45歳の姉、血液型適合(O型)、HLA:4ミスマッチ)。免疫抑制剤はバジリキシマブ、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、メチルプレドニゾロン(MPZ)の4剤で導入しMPZは3日間で中止した。移植後は即座に利尿がみられ、移植後4日目には血清クレアチニン(Cre)1.62mg/dlまで低下した。しかし、移植後9日目にCre1.85mg/dlと上昇し、腎生検したところボーダーラインチェンジの所見であった。MPZ、500mg/日を3日間施行し、Cre 1.45mg/dlで退院となった。その後経過良好であったが、移植後3か月目に2g/日の蛋白尿を認め腎生検を施行した結果、IgA腎症の再発と診断された。扁桃腺摘出術を行い、MPZパルス療法を施行した。現在、Creは低下し、尿蛋白も減少している

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