看護実践の視点からみた森林浴がもたらす効果

Abstract

本研究の目的は,森林浴の効果について,生理学的指標および会話内容の分析から検証することである.研究対象は,本学部教員.府民の森ひよしの森林浴散策コースでは,2人1組(以下,ペア)で,体育館では1人で各30分程度歩行した.森林浴前・中・後の唾液アミラーゼ値,気分プロフィール尺度(the profile of mood states)の変化,心拍変動の計測・解析による自律神経系の変動を評価した.また,森林浴中のペアの会話を録音して,その逐語録を作成して内容をエピソード毎に分類し,心拍変動解析結果と対応させて,森林浴中の会話について,発話思考法(対話法)を用いて分析した.その結果,以下の3点が示唆された.1.森林浴中および直後に副交感神経系(high frequency;以下HF)が優位な傾向を示し,活気が上昇した傾向より,ペアで行う森林浴でリラクセーション効果が期待できる.2.会話内容からの結果では,自分が感じていることを相手に伝えること(表出),そして,そこから次に何かを連想し,楽しむことができると,ペアで実施することで森林浴の効果をより高める可能性がある.3.森林浴を看護介入として取り入れる際には,実施する時期や場所,時間帯はもちろんのこと,介入のタイミングや会話の進め方を十分考慮する必要がある.(著者抄録

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