江川 雅人

福田 晋平

苗村 健慈

江川, 雅人

福田, 晋平

苗村, 健慈

Meiji University of Integrative Medicine Academic Repository

明治国際医療大学誌43月経随伴症状に対する仙骨部への円皮鍼の貼付による効果金 令子，中島 美和，井上 基浩臨床鍼灸学講座【目的】月経時に下腹部痛，および腰下肢症状を訴える被験者を対象として，月経前一定期間に亘り，仙骨部への円皮鍼の貼付を行い，施術効果を検証した．【方法】器質的な原因がなく，月経時に下腹部痛，および腰下肢症状を自覚する女性 3例を対象とした（下腹部痛 n＝ 3，腰痛 n＝ 3，下肢痛 n＝ 1）．研究参加同意後，初回月経終了日の翌日より，仙骨部（次髎穴，左右 2ヵ所）への円皮鍼貼付を開始し，次回の月経開始時まで貼付し続けた．初回（円皮鍼貼付前）および次回月経時（円皮鍼貼付後）の症状の程度について，それぞれ Visual Analogue Scale（VAS，mm）を用いて記録した．【結果】下腹部痛は 66.3± 14.0→ 14.0±24.2（円皮鍼貼付前→円皮鍼貼付後），腰痛 51.7± 11.5→ 7.0± 12.1となり，下肢痛は 30→ 0と変化した． 【考察】全ての被験者において円皮鍼貼付後に下腹部痛および腰下肢症状の改善が見られたことから，月経前の一定期間における仙骨部への円皮鍼貼付は，月経随伴症状である下腹部痛および腰下肢症状の発症を予防できる有益な方法である可能性が考えられた．アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療江川 雅人 1），福田 晋平 1），苗村 健慈 2）1）保健・老年鍼灸学講座，2）内科学教室アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療の臨床的効果，および I型アレルギーに関与する血中の好酸球数，IgE RIST値の変化とリンパ球の Th1／ Th2比の変化について検討した．対象はアトピー性皮膚炎と診断された 45名（平均年齢 20.8± 2.1歳，罹病期間 14.4± 5.8年，28例でステロイド剤の使用）．鍼灸治療は①中医学的分類：風熱証，風湿証，風寒証，気血両虚証に分類した治療，②気血陰陽・臓腑弁証による弁証論治，③随伴症状に対する対症療法的施術を行った．使用鍼は 40mm 16～ 18号ステンレス製鍼とし，灸療法には温筒灸 1～ 2壮あるいは透熱灸 5～ 10壮を行った．治療頻度は 1回／週程度とした．平均 7.6± 9.9ヶ月間に 24.0± 23.3回の鍼灸治療を行い，掻痒感の「軽度改善」以上が 80.0％，皮疹の「改善」以上が78.8％に認められた．鍼灸治療により掻痒感が「著明に改善」「改善」した症例においては血中の好球数やIgE RIST値が低下した症例の割合が多く，アレルギー性炎症の改善がうかがわれた．また，IgE RIST値の低下が認められた症例ではリンパ球 Th1／ Th2比が上昇した症例の割合が高く，IgE抗体産生を促す Th2リンパ球機能の相対的な抑制傾向が示され，鍼灸治療によるアトピー体質改善の可能性が考えられた．

アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療

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アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療

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