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問答形式のゼミによるアウトプット力向上研修の一事例
Authors
Kunio Sakamoto
阪本 邦夫
Publication date
22 March 2019
Publisher
甲南大学教育学習支援センター
Abstract
「人工知能がいかに進化しようとも,それが行っているのは与えられた目的の中での処理である.一方で人間は,感性を豊かに働かせながら,どのような未来を創っていくのか,どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え出すことができる.多様な文脈が複雑に入り交じった環境の中でも,場面や状況を理解して自ら目的を設定し,その目的に応じて必要な情報を見いだし,情報を基に深く理解して自分の考えをまとめたり,相手にふさわしい表現を工夫したり,答えのない課題に対して,多様な他者と協働しながら目的に応じた納得解を見いだしたりすることができるという強みを持っている」.これは,中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会において取りまとめられた「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」に記載された一節である.人工知能に対抗し得る人間力を発揮させるには,従来の知識の詰め込みによるインプット重視の指導から,思考を発信するアウトプットを強化する方向へ転換を図り,学びに向かう力・学び続ける力を手にしなければならない.また,自ら学び続けるためには,インプットとアウトプットのバランスも重要となるが,大学生のこれまでの学びの方法は,覚えることが中心の知識詰め込み(インプット)過剰の学び方をしてきている.そのため,問題を解く・考える・思考するといったアウトプットに割り当てる時間が極めて不足しており,アウトプット活動の重要性や,インプットの2倍程度の時間をアウトプットに費やす必要性を理解していない.本稿では,卒業研究履修に向けて前年度に研究室配属された3年次ゼミ学生に対して行った,過酷な15回連続問答を通じたアウトプット力向上研修ゼミの一事例を報告する
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