ストロー内液層の長さが凍結融解後の媒液の浸透圧に及ぼす影響(予報)

Abstract

本研究では、胚を収容する液層の長さが凍結融解後の凍結媒液の浸透圧に与える影響について検討した。実験には、1.5Mエチレングリコール (EG)、1.5M EG + 0.1Mショ糖 (Suc)、1.4Mグリセリン (Gly)、1.4M Gly + 0.1M Suc の4種類の凍結媒液を用い、液層の長さを2、3、5および7cmの4段階とした。浸透圧は、凍結融解後の凍特媒液を2倍希釈して測定した。0.25mlプラスチックストローを使用し、4段階に分けた液層ごとにストローを用意した。測定結果では、Gly(702.2mOsm/kg) が最も低く、ついでEG (817.8mOsm/kg)、Gly+Suc(985mOsm/kg)、EG+Suc(855.4mOsm/kg) の順に高く、いずれの聞にも有意差(P<0.01)が認められた。全ての媒液において液層の長さ7cmが有意に高く(P<0.01)、液層の長さ2、3および5cmの各媒液間に顕著な差は認められなかった。また、Sucを含む媒液を用いると浸透圧の値が高くなり、その中でも液層部位2、3および5cmに比べ、7cmにおいて有意に高くなることが認められた。以上の結果から、Gly+PBS、Gly+Suc、EG+Suc、EG+PBSの4種類の凍結媒液において、胚を収納する液層の長さが7cm以上の場合は、融解後の胚生存率に影響する可能性が示唆された

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