学位の種別:課程博士University of Tokyo(東京大学

Tani Kotaro

谷 幸太郎

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審 査 の 結 果 の 要 旨 
 
 
 
 
氏  名  谷 幸太郎 
 
 
 
  外部被曝評価に比べて内部被曝評価は難しい。現状の評価では全身カウン
タによって放射能が均一に分布した物理ファントムとの単純な相対測定が実施
され、異常がないことを確認する方法が大半である。特殊な状況、つまり核燃
料再処理施設でのプルトニウムによる内部被曝や、大規模原子力事故時におけ
る放射性ヨウ素による内部被曝では、より細かい評価が必要となる。ここでは、
内部被曝評価の高度化を図るために、摂取した状況に対応した放射性核種の体
内動態に関する研究を行なった。本研究では、まず体内動態解析コードを開発
した。その結果に基づき、体内動態に関する基本的な特性、つまり各臓器・組
織への残留率の時間変化やその可視化、取り込みの状況による変化、年齢によ
る変化等を論じた。引き続き、応用として、まず原子力発電施設における内部
被曝について、体内動態に基づく全身カウンタの校正手法を新たに提案した。
次に、核燃料再処理施設における内部被曝について、241Am に着目し、新たに
頭蓋骨を対象とした体外計測法の有用性を示した。さらに、原子力発電事故後
の緊急時における公衆の内部被曝について、年齢や摂取状況に応じた体内動態
の依存性について示し、核種ごとに異なる体内動態の特徴を把握した上で内部
被曝評価に臨む必要性を示した。ここで解析した体内動態と実際の個人モニタ
リングデータとの比較検証も合わせて行なった。この結果は、将来の包括的な
内部被曝評価の改善に十分寄与できる。審査においては、体内動態の基礎過程、
数値計算結果、実測との比較結果の有効性などについて活発な意見交換があっ
た。また、成果リスト及び論文の完成度は充分であるとされた。 
 よって本論文は博士（工学）の学位請求論文として合格と認められる。 
 


放射性核種の摂取に対する体内動態解析とその内部被曝評価への応用

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放射性核種の摂取に対する体内動態解析とその内部被曝評価への応用

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