岡村 勝行

Kanazawa University Repository for Academic Resources

3-2日本におけるパブリック・アーケオロジーを考える岡村　勝行はじめに・福島の体験から（Fig. 3.2.1）　復興調査、多様な考古学のあり方、コミュニティと考古学、都市的発想とグローバリゼーション・PA との出会い1980 〜 90 年代の英国発の考古学に触れて・「日本のパブリック・アーケオロジー」なるものがあるとして、どうすれば、近づけるのか。国際比較、国際的な評価など、種々の補助線を引き、可視化させる試み。・近年の動きNearch (New Scenarios for a community-involved archaeology) にみる、欧州の連携パブリック・アーケオロジーとは（Fig. 3.2.2, 3.2.3）・McGimsey, C. R., III, 1972. Public Archaeology（1973 年、田中琢氏による『公共考古学』の紹介 : Fig. 3.2.4, 3.2.11）・松田陽氏の定義とアプローチの 4 分類「考古学と現代社会の関係を研究し、その成果に基づいて両者の関係を実践を通して改善する試み」→ 関係の研究、行動する学。「正解」より、best practice という行為、それを支える個々の good will← 復興調査に対して、団結（solidarity）、調査担当者に対して、献身（com-mitment）という評価・多様なパブリック・アーケオロジーと日本での捉えられ方米国、豪州など新大陸と英国では異なる。日本での捉えられ方は特殊か？　考古学／考古遺産マネジメントとパブリック・アーケオロジー　　・日本における「考古学と社会」の変化（Fig. 3.2.5）アカデミズム、一部の好事家 → 月の輪古墳発掘と「私たちの考古学」（戦後民主主義）→ 濫掘、文化財保護法（1950 年）の制定 → 開発、緊急調査の増大（→「文化1233-2 日本におけるパブリック・アーケオロジーを考える財」指向考古学）→ 地方行政主体の遺跡調査体制（1964 年）→ 高松塚古墳壁画の発見（1972 年）→ メディア報道、考古ファンの増大（埋蔵文化財の保存と活用）→ 再生可能な過去の増大（消費される過去）→「体験発掘」の増加にみる「考古学」の開放？！日本のパブリック・アーケオロジー（Fig. 3.2.6, 3.2.7）・現代社会と考古学の関係研究の初のテーマ化田中琢編 1986 岩波講座『日本考古学』第７巻「現代と考古学」の先駆性（Fig. 3.2.8）・教育的実践については、「埋蔵文化財の保存と活用」という名のもとに全国に膨大な事例例、大阪歴史博物館 なにわ考古研究所（Fig. 3.2.9）、関西考古学の日（Fig. 3.2.10）今後の課題（Fig. 3.2.12, 3.2.13）〈前提的課題〉・PA(Public Archaeology) 教育的実践の体幹をなす考古遺産マネジメント、理論研究の場となる大学における考古学の維持〈システムの問題〉　・PA のインフラ、大学研究室、考古遺産マネジメントの維持市場主義（新自由主義）下の考古学と CBA（Council for British Archaeology: Fig. 3.2.11）・外（インターフェイス）は柔らかく、なか（システム）はリジッドな「Archaeology」と「考古学」　情報洪水のなかで、前景化できるか。大きな考古学（「埋葬文化財調査」と「考古学」）アクセスしやすい考古学・〈教育の問題〉モノから人へ、活用から？？へ、成長から成熟へ何が学習であるのか、状況的身体学習（LPP: Legitimate Peripheral Participation）、構成主義に基づく教育観（例、J．デューイ）知のあり方・〈立場性の違いから〉・参加とは、共有とは。資料の倉庫、実践のナショナル・センターがない。・資料のパブリック化、アクセス、情報共有報 告 書、 デ ー タ ベ ー ス、（ 参 考、 英 国 HER: Historic Environment Records, SMR: Sites and Monuments Records）オープンアクセスの時代「活用」←→「知」のあり方　124 岡村　勝行Fig. 3.2.1 Fig. 3.2.2Fig. 3.2.3 Fig. 3.2.4Fig. 3.2.51253-2 日本におけるパブリック・アーケオロジーを考えるFig. 3.2.6 Fig. 3.2.7Fig. 3.2.8 Fig. 3.2.9Fig. 3.2.10 Fig. 3.2.11Fig. 3.2.12 Fig. 3.2.13

日本におけるパブリック・アーケオロジーを考える

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