取得学位 : 博士（医学）, 学位授与番号 : 医博乙第1376号, 学位授与年月日：平成8年3月18日,学位授与年：199

Kubota, Tetsuya

久保田 鉄也

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学位授与番号学位授与年月日氏名学位論文題目医博乙第1376号平成８年３月18曰久保田鉄也ラットのクモ膜下出血におけるクモ膜下腔の免疫細胞亜群の経時的変化論文審査委員 主査副査教授教授教授山高中純正功下守西宏治夫内容の要旨及び審査の結果の要旨脳血管璽縮は，ヒトではクモ膜下出血発症後７～10曰頃の時期に起こる脳底部主幹動脈の異常収縮であり，収縮の程度が強ければ，当該動脈の灌流領域の脳実質を虚血状態に陥らせる重篤な病態である。脳血管箪縮発生の原因については諸説あり，複数の因子が関与していると推測されている。これまでに，クモ膜下出血後のクモ膜下腔および動脈壁に免疫反応が生じていることを示す器質的変化が認められることや，末梢血液中あるいは脳脊髄液中に免疫反応の活性化を示す免疫関連物質が増加することが報告されている。本研究では，ラットのクモ膜下出血モデルを作製し，ラット108匹を用い，クモ膜下腔に出現するリンパ球，マクロファージなどの免疫細胞の経時的変化について解析した。ＨＥ染色により脳底動脈およびクモ膜下腔の組織学的変化を，免疫組織化学的方法によりＣＤ３，ＣＤ４，ＣＤ８，および主要組織適合性複合体クラスⅡを発現している細胞の出現を，フローサイトメトリーによりＴ細胞亜群およびマクロファージの出現率を，それぞれ経時的に観察した。得られた結果は，以下のように要約される。１）ラットでは，出血後２～３曰に著明な病理学的変化を伴う脳血管箪縮が観察された，２）同時期に免疫反応に携わる細胞の増加が認められた，３）それらの細胞亜群の経時的変化は，遅延型過敏反応の経時的変化に類似していた，４）免疫反応の最盛期が出血後２～３曰にあり，脳血管箪縮の増悪期と相関した。以上の結果より，出血後のクモ膜下腔において何らかの抗原の情報提示が行われている可能性が示唆された。したがって，脳血管箪縮の病態には，何らかの血管壁での局所の免疫反応が，関与しているものと推論された。本研究は，クモ膜下出血後のクモ膜下腔に生じる免疫反応について実験的に解析したものであり，今後の脳血管箪縮の病態解明，治療法の開発に重要な示唆を与え，脳神経外科学の進歩に寄与する労作と評価された。－８９－

ラットのクモ膜下出血におけるクモ膜下腔の免疫細胞亜群の経時的変化

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ラットのクモ膜下出血におけるクモ膜下腔の免疫細胞亜群の経時的変化

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