取得学位 : 博士（医学）, 学位授与番号 : 医博甲第1214号, 学位授与年月日：平成8年3月25日,学位授与年：199

Okada, Yoshie

岡田 由恵

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医博甲第1214号平成８年３月25曰岡田由恵グリオーマにおけるＤＮＡメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡの発現学位授与番号学位授与年月曰氏名学位論文題目純琢尚宏磨教授教授教授山下佐々木井関主査副査論文審査委員内容の要旨及び審査の結果の要旨ＤＮＡメチルトランスフェラーゼによるＤＮＡシトシン残基のメチル化は，遺伝子発現を抑制し，腫瘍における様々な遺伝子異常の一因となる可能性が示唆されている。グリオーマにおいても，ＤＮＡのメチル化の異常が報告されており，腫瘍の悪性化に関与している可能性が十分に考えられる。本研究では，グリオーマにおけるＤＮＡメチルトランスフェラーゼの発現を，臨床腫瘍標本について比較検討し，悪性度との関連を検討した。定量的逆転写一ポリメラーゼ連鎖反応（reversetranscription-PCR，RT-PCR）法および組織内ハイブリダイゼーション法により，微量な標本中のＤＮＡメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡの発現量を測定及び検出することが可能であった。結果は以下のように要約される。１．正常脳およびグリオーマ摘出組織全例で，296塩基対DNAメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡ由来の増幅ＤＮＡ断片を得た。２．ＤＮＡメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡの発現量は星状細胞腫（gradeⅡ）では正常脳の20倍から50倍，退形成性星状細胞腫（gradeⅢ）では200倍から4500倍，膠芽腫（gradeⅣ）では800倍から2000倍と特に悪性度の高いもので過剰発現が認められた。星状細胞腫をlowgrade，退形成性星状細胞腫および膠芽腫をhighgradeとして比較すると，ＤＮＡメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡの発現量に有意差を認めた。３．ＤＮＡメチルトランスフェラーゼｍＲＮＡに対するＲＮＡプローブを用いた組織内ハイブリダイゼーションの結果，定量結果に一致してhighgradeのグリオーマで強陽`性のシグナルを認めた。以上，本研究は，グリオーマにおけるＤＮＡメチルトランスフェラーゼの発現を検討し，ＤＮＡメチルトランスフェラーゼの発現量と腫瘍の悪性度との相関を初めて証明したものであり，グリオーマにおける様々な遺伝子異常を一元的に説明するメカニズムの一つを示したものであり，今後の脳腫瘍学の発展に貢献する価値のある論文と評価された。－３６－

グリオーマにおけるDNAメチルトランスフェラーゼmRNAの発現

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グリオーマにおけるDNAメチルトランスフェラーゼmRNAの発現

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