Sakurai, Masaru

櫻井 勝

Kanazawa University Repository for Academic Resources

巻頭言 大学の情報基盤整備の 質的向上をめざして 櫻井　勝 1金沢大学理事（情報担当）・副学長 金沢大学情報戦略本部長 　平成 16 年度に「国立大学法人」へ移行してから6年にわたり進められてきた第Ⅰ期中期目標・中期計画が平成 21 年度で終了を迎えます．この間，本学は平成 20 年度に従来の 8 学部・25 学科・課程制から，3 学域・16 学類制への再編・統合という大きな組織改革を実施しました．他方，世の中に目を向けると，アメリカ金融危機を引き金とした世界不況は国際社会の競争激化，再編を加速し，情報化の波はそれをあおるように社会に激変をもたらしています．この厳しい情勢のなか，本学が「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」，「東アジアの知の拠点」としてさらに発展するには，これまでの改革に飽き足らず，我々一人ひとりが「自らの道を切り拓く」気概で，来年度から6年の第Ⅱ期中期目標・中期計画を紡ぎあげる必要があるでしょう． 　本学の将来構想を長期的展望に基づいて立案するには，激変する社会の要望をいち早く取り込み，さらにその一歩先をも見通す先見性が必須です．しかもその先見性は，十分なデータに基づく問題分析と洞察に裏打ちされたものでなければなりません．本学は平成 20 年度に，学内情報インフラ基盤整備，情報セキュリティ対策と，その上に立って行われる教育・研究・業務情報の利活用を，全学的視野で戦略的に整備・推進することをミッションとして「情報戦略本部」を設立しました．情報戦略本部の体制がほぼ確立された今年度は，本学にとって大きな情報改革といえる取組みを数多く実施しました．その一つが，新型インフルエンザの大流行など，大学構成員にいち早く緊急情報を伝達するための緊急時連絡システム（C-SIREN）の整備です．さらには平成 22 年 3月半ばよりマイクロソフト社製品の包括ライセンス契約がスタ トーし，本学に在 籍 する教 職 員 及 び 学 生 は ， 同 社 のWindowsとOfficeを無償で使用可能となります．また，アカンサスポータルの全学ポータル化や，職員証・学生証の ICカ ドー化も今年度事業として進められており，いずれも平成 22 年 4月より供用が開始されます． 　第Ⅱ期中期目標・中期計画に合わせ，次期キャンパスインテリジェント化計画もスター トします．本学の情報改革の実現にあたり，総合メディア基盤センターの責任はさらに重くなります．本学のICT 基盤の整備・運用はもちろん，ICTを活用した教育改善の実現，本学の情報資産の利活用の促進，安全・安心キャンパスの構築など，「より上位レベルの情報基盤整備」に向けて，当センターがさらなる質的変化を遂げられることを強く期待します． 

大学の情報基盤整備の質的向上をめざして

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大学の情報基盤整備の質的向上をめざして

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