金沢大学医学部附属病院外科学会抄

Inaki, Noriyuki

Kanahira, Eiji

Kawakami, Kazuyuki

Okuda, Toshiyuki

Omura, Kenji

Tsukayama, Shoichi

Watanabe, Go

塚山 正市

大村 健二

奥田 俊之

川上 和之

渡邊 剛

稲木 紀幸

金平 永二

The Japanese Journal of Gastroenterological Surgery

Kanazawa University Repository for Academic Resources

経皮的内視鏡下胃内手術における手技の工夫著者 稲木 紀幸, 金平 永二, 大村 健二, 川上 和之, 奥田 俊之, 塚山 正市, 渡邊 剛雑誌名 日本消化器外科学会雑誌巻 35号 7ページ 906-906発行年 2002-07-01URL http://hdl.handle.net/2297/3967日本消化器外科学会雑誌 第 57 回総会 2002 年 第 35 巻  7 号 p.906 WS5-03 経皮的内視鏡下胃内手術における手技の工夫 稲木紀幸 1），金平永二 2），大村健二 1），川上和之 1），奥田俊之 1），塚山正市 1），渡邊 剛1） （金沢大学医学部附属病院心肺・総合外科 1），金平内視鏡外科研究所 2））  【目的】経皮的内視鏡下胃内手術（PEIGS）の手技をビデオで供覧しわれわれが工夫している点をクローズアップする．【方法】28 症例に PEIGS を施行した．19 例は粘膜癌，3 例は t1，1 例は t2，1 例は腺腫，4 例は平滑筋腫であった．占拠部位は 14 例が食道胃接合部近傍，12 例が幽門近傍，2 例が胃体部後壁であった．手術手技でわれわれが独自に工夫した点は，（1）腹腔鏡下に空腸をエンドループにて緩く絞扼すること．（2）胃前壁と腹壁を鮒田式胃壁固定具により縫合固定したのちに，胃内トラカールを刺入すること．以上の 2点である．（1）により胃内操作時に送気する二酸化炭素ガスの小腸内流入を防止できるので，後半の腹腔内操作時に，拡張した小腸による術野の狭小化を回避できる．この方法は，イレウスチューブのバルーンによる十二指腸ブロック法より簡便で，胃内操作時の視野の妨げにもならない．絞扼による腸管虚血を防ぐため，エンドループ内に剥離鉗子先端が入る余裕を持たせることがコツである．（2）により胃前壁が腹壁に固定されるため，胃内へのトラカール刺入は安全かつ容易となる．この方法によりバルーン付カニューレ以外のものでも使用可能となる．われわれは Step トラカールを 3 本使用している．術中のカニューレ滑脱の際にも再挿入が極めて容易である．手術はこの後，送気により拡張した胃内腔で，把持鉗子，高周波電気メス，超音波凝固切開装置を用いて病変を一括切除する．標本は経口的に回収する．胃内カニューレ抜去後，腹腔内操作に戻り，エンドループを解除，胃刺入部を縫合閉鎖する．【結果】胃内トラカールの刺入に関連する合併症はなかった．空腸のエンドループ絞扼に起因する腸管の損傷はなかった．2 症例は制御困難な出血のため開腹移行となった．手術時間の平均時間は 164.8 分（120～300 分），腫瘍径の平均は 28.0mm（10～80mm）であった．局所再発は 1 例において PEIGS 後 12 ヶ月目に認めた．1 例に後出血を認めた以外，重大な合併症はなかった．【結論】PEIGS は，食道胃接合部近傍または幽門近傍に存在する，広基性腺腫，粘膜内癌，良性の粘膜下腫瘍に対して，有用な術式となり得る．また，空腸のエンドループ絞扼法と鮒田式胃壁固定具による胃壁固定は，安全で有用な工夫であると思われた．    --------------------------------------------------------------------------------   Copyright©2003 日本消化器外科学会 All rights reserved. 

経皮的内視鏡下胃内手術における手技の工夫

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経皮的内視鏡下胃内手術における手技の工夫

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