Kira, Shohei

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ピリジン廃液処理に名案を

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ピリジン廃液処理に名案を医学部公衆衛生学教室吉良尚平　私達の研究室からの廃液で，その扱いに困っている物にピリジン含有廃液がある。その使用目的であるが，有機溶剤の尿中代謝産物である，馬尿酸（トルエン）及び三塩化物（三塩化エチレン等）の比色定量である。クロマト法による定量法も開発され，一般化した今日でも，迅速・簡便な点は捨てがたい方法である。ピリジンは，化学家さんは御存知の通り，猛烈な刺激臭を有する溶媒の一つである。最初の甘ったるい感じは苦味へと変り，ロ呼気を催すようになる。個人差があるとはいえ大ていの人は顔をそむけてしまう。少量といえども，誤って流しに廃棄したりすると，その下水管の下流域の研究室からの苦情は必常である。そんな訳で，注意深く，可燃有機廃液として厳重密封され，処理される日を待つことになる。ところが，環境管理センターに持込み，他の廃棄溶剤と混合し，焼却炉へのセットになると，如何んともしがたい事態となる。型通り，混合液が単層となっている事の確認更には含有塩素量の測定の手順を踏む。屋外での作業とはいえ，悪臭の中での作業となる。以前には，ピリジンの使用をやめ，他の物質で代替できれば大発見と本気に考えたこともあったが，無い知恵は出てこない。むろん，ドラフトの中で全操作を行うのも一方法であろうが………B　そこで，この誌面を借りて，有機化学に明るい先生方におたずね方々，お願いとなる次第。ピリジンに暴露することなく処理する方法を御教示いただけたら，廃液処理への足どりも少々は軽ろやかになるのでは，と思っている。　参考までに，産業衛生分野における許容濃度を示すと，ピリジン：5ppm　TWA（8時間），1　PPS皿（15分間）：ACGIH．日本における許容濃度に相当するものは示されていない。（1987年現在）一18一

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