児童青年の不安状態について多面的に評価する自記式質問紙法であるMultidimensional Anxiety Scale for Children (MASC)の日本語版を作成し、心理測定的評価を行った。中学生610名(12~15歳)を対象に、因子構造、信頼性、妥当性について検討した。確認的因子分析から、原版MASCと同様の4因子モデルが再現された。内的整合性についても、妥当であった。また、MASCの各因子および総得点の性差を検討すると、諸外国の先行研究同様に女子の方が男子に比較して高値であった。以上の結果から、日本語版MASCは、中学生の不安を評価する上で適度な信頼性と妥当性をもつ尺度であることが示唆された