unknown

Incorporation of 3H-thymidine and 3H-uridine into Early Embryos in Inbred and Hybrid Quail

Abstract

本研究は,ニホンウズラの近交胚と雑種胚における3H-チミジン,3H-ウリジンの取り込み量および胚発育とこれらの取り込み量との関係について検討した.本研究に用いたニホンウズラは近交系,これらの近交系間交雑種(以下交雑種F1)および無作為交配群である.近交系は共通の基礎集団から4世代にわたって全きょうだい交配によって作出した.10μlの3H-チミジンあるいは3H-ウリジン量(最終濃度50nmol,2μCi)を卵黄中に注入し,孵卵後2,3,4日目に胚へ取り込まれたチミジン,ウリジンの量を測定した.さらに本実験では培養胚のチミジン,ウリジンの取り込みについても検討した. まず,胚発育,胚重量について検討した結果,近交系では著しい発育遅延と胚重量の減少が見られた.一方,交雑種F1では胚発育,胚重量の回復が認められ,無作為交配群に近似した つぎに,3H-チミジン,3H-ウリジンの取り込み量について検討した結果,近交系では交雑種F1,無作為交配群に比べて有意に低い値を示した.一方,交雑種F1でのこれらの取り込み量は無作為交配群の値に近似した.培養胚での取り込み量においても同様の結果が得られた.胚の発育と,3H-チミジン,3H-ウリジンとの関係について検討した結果,いずれの交配群においても取り込み量は胚発育の進んだ胚では高く,一方発育遅延した胚では低くなる傾向がみられ,胚発育とチミジン,ウリジンの取り込み量との間には密接な関連のあることが明らかになった.これらの結果から,核酸,タンパク合成能の低下が近交ウズラ胚での発育遅延に関連し,一方雑種ウズラ胚での胚発育の回復は核酸,タンパク合成機能の亢進に起因したものと考えられる

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