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Study on the Increase and Decrease of the Percolated Water Quantity in the Paddy Fields around the Lake due to the Variation of Water Level of the Lake
Authors
Kinzo Nagahori
Publication date
1 January 1968
Publisher
岡山大学農学部
Abstract
水資源の有効利用を計る一環として,従来農業用水源としてのみ利堀していた湖沼もいろいろな型で多目的な水利用がなされるようになり,従来よりも急激な湖面水位の変動がくり返されるようになってきているものが多い. その結果,湖面水位の低下により周辺水田の浸透量が増加することになり,水管理の面から種々の問題がひきおこされるようになった. これらの関係を明らかにするにはまず,周辺水田土層構成などを適確に把握することが犬切であるところが,一般には土層構成は複雑であるから厳密な解析は困難である. そこで第一段階として,単純化した二層構造モデルを設定して,上層を半透水性層(作土層)と下層を良透水性層(心土層)との条件によって基礎式を誘導し誘導した基礎式に一事例として,実測したいくつかの数値を入れて,それによって湖水位低下量と周辺水田の増加浸透量との関係ならびに水位低下によってうける増加浸透量の影響する湖岸からの距離などについて検討と考察を行なった. それらの結果について示せば次のように要約される. 1)湖面水位差h0mである場合,周辺水田の湖岸xm,離れた地点における浸透強度qは次のように誘導される. q=-F1h0e-ax 2)上層d1のうち,透水係数k1の小さい土性ほど浸透強度は小さいが湖面低下による浸透量増加の影審は湖岸から遠方までおよぷことがわかる,逆に透水性k1の大きい土性の場合は,湖岸での浸透強度の減少する率が高い. 例えば湖面水位が1m低下した場合,浸透強度q=10mm/dayの地点は湖岸より,上層d1の透水係数がk1=1×10-4cm/secの場合には21m同じくk1=5×10-5cm/secの場合には28mであった. 3)また,湖面水位差が大きくなればなるほど,またk1の大きいほど浸透強度が大きくなる. 例えば岬の浸透係数がk1=×10-4cm/secの場合には,湖面水位差h0=2m,3m,4m,5mのそれぞれの場合について浸透強度q=10mm/dayを一応の判定基準にした場合,それぞれのh0に対する湖岸からの影響距離は41m,48m,53m,57mであった. 同様にd1層の透水係数k1=5×10-5cm/secの場合については,湖岸からの影響距離は40m,50m,57m,62mであった. さらにd1層の透水係数k1=1×10-5㎝/secの場合には,h0=1m,2mの場合には透水係数そのものが小さいのでq=10mm/day以下で変化しているので,水位変動差h0を3m,4m,5mのそれぞれの場合について湖岸からの影響距離を検討してみると21m,37m,46mであった. 4)以上から一般の適手浸透量といわれる水田でしかも水位変動5m位を考えるとその影響距離はおよそ60mまでと考えられる
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