research

人口減少社会における学校の役割について : N県N市の学校統合の事例をもとに

Abstract

 人口が減少するわが国では,学齢期の児童生徒も減少しており,学校数の減少,学校規模の縮小という現象が見られている。これに対し,国はキャリア教育の推進,学校を拠点とする地域づくりなど様々な政策を打ち出すとともに,文部科学省は平成27年(2015),「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」を示し,学校の統廃合を進めようとしている。しかし,統廃合によって小・中学校がなくなることは子育て世代の人口流失など過疎を招き,その学校をもつ地域の衰退に直結する。そこで小論では,ある地方都市の教育委員会が実施した学校統廃合説明会の議事録分析をもとに,人口減少の中で地域住民が学校に対してどのような役割を期待しているのかを明らかにしようとした。その結果,学校は教育の場であり,地域のまとまりの象徴,地域活動の対象,地域住民の誇りなど様々な役割を担っていることが分かった

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