金子 佳樹

Creative Repository of Electro-Communications

修　士　論　文　の　和　文　要　旨研究科・専攻 大学院　　　電気通信学研究科　　　　　　　情報工学専攻　博士前期課程氏　　　　名 金子　佳樹 学籍番号 0631006論 文 題 目 純関数型言語による仮想マシンモニタの実現 要　　旨　仮想マシンモニタとは，計算機システムの物理ハードウエアをソフトウエアで仮想化する技術の一つであり，仮想的なマシンを構築して複数の OS を同時に動作可能にするソフトウェアである．近年，セキュリティを高めるという要望や運用コストを削減するという要望により，仮想マシンモニタに対する需要が拡大している．そしてその需要に伴い，実用的な性能をもった仮想マシンモニタが多数出現している．しかし，これら既存の仮想マシンモニタは主に C 言語やC++ などの低級言語で実装されており，その実装は複雑であることが多い．　本研究では，型安全かつメモリ安全な純関数型言語 Haskell を用いて，仮想マシンモニタ Kenroを実装した．これを用いれば，IA-32 の実機上で動作している IA-32 Linux 上で，ゲスト OS として異なる IA-32 Linux を動作させることができる．今回は，仮想マシンモニタの実装において，ホストの Linux の機能を利用して，仮想マシンの仮想資源を管理した．実装している機能は主に命令エミュレーション，割り込みエミュレーション，メモリ管理機構，デバイスエミュレーションである．　本研究ではこの仮想マシンモニタの実装を通じて，純関数型言語で仮想マシンモニタのようなシステムソフトウェアを実装する際における有用な点を明らかにした．純関数型言語の特徴は記述性，安全性の面でソフトウェア実装に大きく貢献することがわかった．また，低レベル処理を含む大部分の実装を純関数型言語による実装が可能であると示すことができた．ただし，低レベル処理に関しては低級言語による実装の方が有用であった．そこで，純関数型言語を実用的なソフトウェアの実装に利用する際には，低級言語も組み合わせて利用して実装することが望ましい，という考察を得た．

純関数型言語による仮想マシンモニタの実現

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純関数型言語による仮想マシンモニタの実現

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