池上 裕美

Creative Repository of Electro-Communications

                                 修 士 論 文 の 和 文 要 旨  大学院  電気通信学研究科  博士前期課程     情報通信工学専攻 氏     名 池上 裕美 学籍番号 0630006 論 文 題 目 2007年ふたご座流星群による月面衝突閃光の観測   要  旨 月面の夜の部分に流星体が高速度で衝突した時に閃光を生じることがあり，これを月面衝突閃光という．これまでは，速度の速い流星群の方が閃光を検出できる確率が高いと考えられており，しし座流星群，ペルセウス座流星群による閃光が検出されてきた．一方，理想的な条件での流星の観測数を表すZHRが同じであれば，速度の遅い流星群の方が月面衝突閃光の検出率が高いという見積もりがある．そこで本研究では速度が遅く，ZHRの大きい流星群であるふたご座流星群に注目し，観測を行った． 観測では，2台のカメラを使用し，2007年ふたご座流星群活動期に合計約4.5時間の観測を行った． 観測したデータを，作成した発光検出プログラムを用いて解析し，2台のカメラ両方に映っている4つの閃光を検出した．そのうち3つは同時観測により月面上の現象であることが確認された．そして，閃光の明るさから，閃光の等級，衝突した流星体の質量を見積もった． 検出された4つの閃光のうち，3つは突然明るくなり，徐々に減光していく特徴が見られた．もう１つは、突然明るくなるところは同じであったが、残光は見られず，発光は1/60秒以内であった．同じ観測システムで残光がある閃光とない閃光が両方発見されたのは初めてで，本研究により，両者の存在が明らかとなった．発光時刻が非常に近い同じ明るさの閃光あったが，残光がある場合とない場合があり，これは非常に不思議である． 観測時間は合計4.5時間であったが，3つの確かな月面衝突閃光を検出できたことで，速度の遅いふたご座流星群での月面衝突閃光の検出率は高いと言えるだろう．  

2007年ふたご座流星群による月面衝突閃光の観測

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2007年ふたご座流星群による月面衝突閃光の観測

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