狩野 二人

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修 士 論 文 の 和 文 要 旨  研究科・専攻 大学院   情報理工学研究科     情報・通信工学専攻 博士前期課程 氏    名 狩野 二人 学籍番号 1031032 論 文 題 目 超指向性音響システムの省エネルギー化  要  旨 近年，世界規模での人口増加のため資源枯渇の恐れが叫ばれており，産業界では省エネルギー技術の邁進，次世代エネルギーの開発などが注目されているなど，エネルギー問題に対する人々の意識は年々高まってきている．本研究の対象とするパラメトリックスピーカ音響システムもエネルギー問題を避けては通ることができない． 本研究では，信号源の出力端子に変調器を介してパワーアンプを接続し，そのパワーアンプの出力端子にパラメトリックスピーカを接続させた音響システムの省エネルギー化を目指して必要と思われる測定を実行していく． まず，具体的なアプローチとしてはデジタルアンプを採用することによる消費電力低減への寄与の評価である．検証内容としては，市販のアナログアンプと高周波駆動対応のデジタルアンプの2種類を用いて特性比較や消費電力の程度を調べることである．音声プログラムや楽曲プログラムなどを信号源として用いたときの消費電力を比較すると，デジタルアンプを採用すれば約80 %の省エネルギーが実現できた． 次のアプローチとして超音波振動子の力率改善による無効電力の抑制である．一定の電圧を印加しても，無効電力が大きくなるにつれて有効電力が小さくなってしまう．つまり，力率を改善すれば，エネルギーの変換効率改善につながる．具体的な検証内容としては，まず，超音波振動子の振幅位相特性を計測し，そこから力率改善に必要なコイルのインダクタンスを求めることである．その結果，コイルの適切なインダクタンスは25 µHであった． 上記のアプローチの検証を終え，最後にこの二つを組み合わせた場合，どの程度まで省エネルギーが可能となったか実際に消費電力を測った．具体的には，アンプ部分にデジタルアンプを採用し，超音波振動子に力率改善のためのコイルを並列接続させたときの音響システム全体の消費電力を計測した． 以上の結果，従来の音響システムと比べると，今回のデジタルアンプを採用し力率改善の手段を施した音響システムのほうが消費電力を約 84 %抑えることに成功した．  

超指向性音響システムの省エネルギー化

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