thesis

SDNにおけるパケット損失とループを防止するネットワーク設定更新方式の検討

Abstract

今のインターネットは世界を結ぶ情報社会の基盤となっている。様々なサービスやアプリケーションはインターネット上で増加しており、ネットワークはますます複雑になっている。このような状態を打破するため新たなネットワークアーキテクチャの設計が必要となる。ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)は、コントロールプレーンとデータプレーンを分離するネットワークへの新しいアプローチである。SDNネットワークにおいて、新しいトポロジーおよびサービスを適合させるため、ネットワークの設定を更新することは一般的である。この新しい技術を実現するため、OpenFlowという新しい技術を標準として導入される。OpenFlowプロトコルはコントロールプレーンとデータプレーンの間の通信が可能にする。しかし、全てのネットワーク機器において設定の更新が整合性を持たなければ、不一致性による問題が生じる。この問題により、ネットワークにおけるパケット損失やループなど不正確な動作が起こる可能性がある。本稿では、SDNとOpenFlowに関する関連技術を紹介し、SDNにおける不一致性問題を定義し、先行研究を交えて議論する。そして、パケット損失とループを防止するネットワーク設定更新方式を提案する。具体的にはSDNコントロールはネットワーク設定の更新前と更新後の転送経路を分析し、開放ループと閉合ループの有無により二つの経路間の関係を分類する。この関係を基づいて、スイッチ設定の更新の順番を計算し、コントロールはこの順番によってネットワーク設定を更新する。提案の正確性を検証するため、コントロールPOXとネットワークエミュレータMininet上で実装しシミュレーションを行い、TCPとUDP二つのプロトコルでリンクのスループットやパケット損失を評価した。結果としては提案手法はリンクのスループットを保証し、パケット損失を抑制を実現した。また上記の提案手法を実装するためには、コントローラとスイッチ間の遅延が大きく作用するため、コントロールとスイッチの間に遅延の測定と設置の手法を提案し、評価を行った。最後に関連研究と比較して提案方式を議論した。電気通信大学201

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