Naoki okamoto

岡下 修己

Kwansei Gakuin University Repository

2011年度 修士論文要旨 PRDM14による潜在的多能性獲得・維持機構の解明 関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻 関研究室 岡下 修己  生殖細胞は次世代に遺伝情報を伝えることができる。すなわち、特殊化した機能を持つ精子・卵子へ分化するにも関わらず、受精後次世代の全細胞を生み出すことができる(多能性)。生物の連続性を保証する生殖細胞の形成過程を分子レベルで理解することは、生命科学における重要な課題の１つであり、生殖・再生医療の発展に貢献できる可能性を秘めている。ES細胞に代表される多能性幹細胞において、その多能性は多能性細胞特異的転写因子(多能性関連遺伝子)のネットワークにより支持されている。また、MEF に多能性関連遺伝子群であるOCT4/SOX2/KLF4/MYCを導入することで多能性幹細胞である iPS細胞を樹立できることから、多能性の獲得・維持には多能性関連遺伝子の発現が重要であると言える。生殖細胞の起源である始原生殖細胞は中胚葉への分化誘導を受けた多能性関連遺伝子である Klfs 及び Sox2 陰性のエピブラストから出現し、その後、Klf2 及び Sox2 の発現を誘導することで潜在的多能性を獲得する。遺伝子欠損マウスを用いた解析により、始原生殖細胞特異的に発現する転写因子PRDM14が、始原生殖細胞における Klf2及び Sox2の発現誘導及び潜在的多能性の獲得に必須であることが先行研究により示された。しかし、PRDM14がどのような機構で潜在的多能性の獲得・維持に寄与しているかは全く分かっていない。本研究では、始原生殖細胞と同等の PRDM14を発現させた ES細胞及びES 細胞からエピブラスト様細胞 (EpiLC)の分化培養系を用いることで、PRDM14による潜在的多能性の獲得・維持機構の解明を行ってきた。その結果、PRDM14 は多能性関連遺伝子の上流で機能し、多能性関連遺伝子の発現を誘導・維持することで潜在的多能性の獲得・維持を行っていること示唆された。また PRDM14 による潜在的多能性獲得にはヒドロキシメチル化を介した積極的な脱メチル化機構が関わっている可能性が示唆された。 

PRDM14による潜在的多能性獲得・維持機構の解明

https://kwansei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=21003&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1

PRDM14による潜在的多能性獲得・維持機構の解明

Abstract

Similar works

Full text

Available Versions

Kwansei Gakuin University Repository