精神科病院スタッフの認知症に対する イメージの抽出と類型化および職種間比較

Abstract

認知症の人の将来推計について,世界では2050年には1億5200万人と推計されている.また,日本では2025年には約700万人前後と見込まれている.そのため,認知症は大きな社会問題となっており,さまざまな取り組みがなされている.認知症のイメージについて,1970~1980年代にかけて,精神病院による認知症老人の囲い込みと, 老人処理工場的な精神病院のあり方や閉鎖病棟がもつ人を寄せ付けない独特な雰囲気が,認知症に対するマイナスイメージをふくらませる要因となった.その後,200年,「痴呆症」という用語が侮辱的な表現であることから「認知症」と変更された.しかし,そのマイナスイメージが払拭されていない現状もある.そのため,学生や看護,一般市民を対象として,認知症や認知症の人に対してどのようなイメージをもっているのか把握する調査がなされている.また,理解度や認知度を把握する観点から,一般市民を対象とした認知症の知識や社会資源,認知症の人の行動面の理解や早期対応の重要性などの調査もなされている.しかし,認知症の人の入院が増加し,ケアを担っている精神科病院スタッフについては,イメージや理解度などを明らかにした報告はなかった. 本研究の目的は,精神科病院スタッフが認知症の人に対してどのようなイメージを抱いているのか明らかにする.また,各職種によってどのようなイメージの相違が認められるか明らかにする.さらに,各職種のイメージの相違が認められた場合,各質問項目を職種間で比較することで,イメージの相違と同様に職種の相違が認められるのかを明らかにする.九州保健福祉大学202

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