research

Analysis on Deviation Value and Employment in Major Companies : Reconsideration of System for Recruiting New Graduates

Abstract

我が国独自の新卒一括採用システム。他の先進国との比較においては若年層の失業率が低く抑えられ、その点では優れた制度であろう。しかし企業の採用選考は大学卒業以前に実施され、しかも学歴(学校歴)がしばしば幅を利かせたのである。このことは転職制度が十分に発達せず、再チャレンジの機会が乏しい我が国では、決して望ましいものとはいえない。90年代初めのバブル崩壊は日本産業を根底から揺るがした。また時代には難なく国境を跨ぐグローバル化の波が押し寄せ、日本企業の多くが世界を相手にしなければならなくなった。これまでのやり方では決して通用しない。ついては学歴主義の古めかしい慣習にも変化が生まれたかも知れない。本稿はバブル期から現在まで、主要大学と著名企業の就職(採用)データに基づき、最小二乗法によるデータ分析を行った。その結果、業種に違いはあるものの、偏差値の高い大学の学生ほど大手企業へと就職するという、学歴主義が今なお有効であることが判明した。昨今AIあるいはIoTなど、第4次産業革命が進行するなか、我が国では技術の優位性が次々と失われていく。一因としてグローバル人材を生み出しにくい、現行の新卒一括採用システムの存在が浮上してくる。今こそ新卒にとらわれることのない、仕事能力本位の採用方法を再構築する必要があるのではないか

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