research

Experiments on Optimal Unemployment Insurance : Online Experiments with Real-Effort Tasks through CrowdFlower

Abstract

本研究はオンライン実験を通じてHopenhayn and Nicolini (1997)による最適失業保険の下での個人の職探し行動が失業期間に応じてどのように変化し、Auturkyと比較してどの程度その強度が変化するかについて考察した。得られた結果として、第1に、最適失業保険、Auturkyのどちらのトリートメントでも、理論での想定とは異なり、被験者の職探しの努力水準は失業期間が長くなればなるほど低下していくことが分かった。これは、標準的な選好では起こりえないことで、個人が何らかの形で現在バイアスを有していることの証左であることが分かった。第2に、任意の失業期間を固定して、最適失業保険での努力水準とAuturkyでの努力水準を比較すると前者が常に上回っていたが、これは統計的に有意な差ではなかった。以上の2つの結果を総合的に捉えると、個人が現在バイアスを有しているため、Hopenhayn and Nicolini (1997)によって想定されているほどの効果は得られないことが確認されたといえる。本研究は、平成25年関西大学若手研究者育成経費において、研究課題「最適失業保険の効率性とモラル・ハザードについての経済実験」として研究費を受け、その成果を公表するものである

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