“The Paris Psalter” の名称で知られている写本 Paris, Bibliothèque nationale de France, fonds latin, MS 8824には、11世紀中期に書かれた古英語による詩篇150篇のすべてが収録されている。そのうち詩篇1-50は散文、51‒150は韻文にそれぞれラテン語から翻訳されている。これらの散文と韻文の古英語訳について、特に統語法を中心に解決されないままになってきた多くの問題点を取り上げ、正しい解釈を提示する。ここに掲載する小論は、筆者が2016年にHarvard University Press から出版されるOld English Psalms（Dumbarton Oaks Medieval Library series）を執筆している間に生まれた副産物である
