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媒介変数表現に基づくJEPXスポット電力供給・需要関数の推定

Abstract

電力市場における取引リスク分析や入札戦略を検討する上で,入札量と価格の関係を与える入札関数, あるいは入札関数が示唆する供給・需要曲線の推定は必要不可欠である. 本研究では,このような電力市場の供給・需要関数推定問題に対して,媒介変数表現された供給・需要関数を推定する手法を新たに提案した上で,日本卸電力取引所(JEPX)で取引される電力スポット価格に適用した実証分析を実施する.まず,JEPXが各時間帯におけるスポット電力の約定量,約定価格に加えて,売り入札,買い入札の総量を各商品について公開していることに着目し,買い入札総量,売り入札総量に関する媒介変数を用いてJEPXスポット電力の供給・需要関数を表現する.つぎに,媒介変数表現された供給・需要関数が,約定量もしくは約定価格を従属変数,買い入札総量,売り入札総量を独立変数とする一般化加法モデル(GAM)を適用することによって構築されることを示す.また,推定関数が供給・需要関数の単調増加性,単調減少性を満たすための条件を導き,単調性を満たさない際に施す単調化変換の推定精度に与える影響について考察する.さらに,供給・需要関数の媒介変数表現に線形関数を用いた線形モデルと比べて,決定係数や回帰予測値による誤差の改善効果が得られること,および既提案手法である約定率に基づく推定手法と比較して,価格を説明する際の決定係数が向上することを実証的に確認する

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