京都大学0048新制・論文博士医学博士乙第2991号論医博第642号新制||医||212(附属図書館)4448UT51-61-I223(主査)教授 水野 昇, 教授 西村 敏雄, 教授 西村 秀雄学位規則第5条第2項該当Kyoto UniversityDA

Yasuda, Yoshiko

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Title Differentiation of human limb buds in vitro( Abstract_要旨 )Author(s)Yasuda, YoshikoCitationKyoto University (京都大学)Issue Date1976-03-23URL http://hdl.handle.net/2433/220945RightType Thesis or DissertationTextversionnoneKyoto University氏 名学 位 の 種 類学 位 記 番 号学位授与の日付学位授与の要件学位論文題 目????【????㍑?????? ? ? ?? ? ? ?論 医 博 第 642号昭 和 51年 3 月 23 日学 位 規 則 第 5 条 第 2 項 該 当Differentiationofhumanlimbbudsinvitro(ヒト四肢原基の培養下における分化)(主 査)論文調査委員 教 授 水 野 昇 教 授 西 村 敏 雄 教 授 西 村 秀 雄論 文 内 容 の 要 旨サリドマイド事件は妊婦がその妊娠期間中に薬物を服用することがその胎児の先天性四肢奇形の誘因になり得ることを警告した｡一方実験動物においては妊娠中の物理的あるいは化学的作用がその胎児の四肢奇形誘発の原因となることは周知の事実であったが,実験動物において奇形を誘発した要因が必ずしもヒトの場合に適用出来るとほ限らず,種属差が存在することも広く知られていた. ヒトの四肢原基の培養を行い,培養下において薬物を作用させた場合,四肢原基がその薬物に対して感受性を持ち四肢の異常発達が誘発されるか否かを検索することは,薬物等の四肢の催奇形性をヒトの場合において検査する有用な手段となり得ると考える｡本研究はヒトの胎芽期の四肢原基の培養を行い,培養下においても四肢原基が母体内における様な一定の分化成長を示すか否か,合せてヒト四肢催奇形性検査の基準となり得るか否かをみる目的で行った｡人工妊娠中絶術に際して得られた ヒト胎芽75例を用いた｡ これらの胎芽はストリイタ-発育段階 (H.)12-18のもので,推定排卵後日令28日から41日に相当した｡術後直ちに,抗生物質混入アール氏緩衝液に胎芽を入れ培養開始まで4℃に保った｡培養室で新鮮なアール氏液で胎芽を洗源し,双眼顕微鏡下で両側上下肢を切断した｡培養は TC199,.晦血清および12日ニワトリ旺抽出液を2:1:1の割合で混和した 0.9%寒天培地上で38℃ の条件下で行った｡培地は4日毎に取換えたO培養4日～18日後にブアン氏液にて培養片を固定した｡パラフィン包埋後 8βの連続切片を作製し交互の切片に-マトキシリンエオジン染色および トルイジン青染色を施し組織標本を作製した後,光学顕微鏡下で観察を行った｡培養片の分化成長の進行をみる目的で,各段階の肢芽11例の培養前固定標本の組織切片と京都大学医学部解剖学教室に所蔵されている正常胎芽組織標本47例とを合せて肢芽の観察を行った｡培養片を培養前の分化成長状態から第1段階 (H.12および 13),第2段階 (H.14および 15)および第3段階 (H.16-18)に分輝して検索を行った.第1段階の培養前の肢芽においてほ未分化間葉細胞および上皮細胞と頂堤の存在を認めた｡4-12日培養後の上下肢芽においてほ主として間葉細胞の一定の増殖とその部位のトルイジン青の異詞染色性,血管形成,胎生結合織の発現を認めたが,骨原基の出現は認めなか-355-った｡第2段階では培養前の肢芽では全例において頂堤が存在し∴上腕骨あるいは大腿骨原基が20-60%の肢芽において認められた｡また血管形成もなされていた｡培養4-18日後の上肢では主として尺骨,擁骨,手根骨原基の出現,下肢では大腿骨の他に脛骨および誹骨原基の出現を認めた｡上腕骨および大腿骨原基では軟骨化を認めた｡胎生結合織の発現および骨格筋原基の発現も認めた｡第3段階では培養前の肢芽においてほ上下肢芽共に軟骨化した骨原基の出現,血管形成および胎生結合織の存在を認めた｡培養後4-10日の上下肢芽では骨原基の軟骨分化度が進行し,各骨原基間の関節形成初期像を認めた｡また殆んどの例において骨格筋原基の出現を認めた｡以上の結果から ヒト胎芽期肢芽の培養が可能で一定の分化成長の進行基準を定められることが判明した｡同時に培養下ではヒト肢芽の分化成長は母体内におけると比較し著るしく遅延することも判明した｡またマウス腔肢芽の器官培養の結果と比較すると培養下におけるヒトでの4日間の分化成長はマウスにお ､いて相当する発育段階の肢芽の1日間の分化成長に該当し,催奇形検査に応用出来ると考える｡論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨本論文は諸種の実験動物やヒトの胎児の相互の問には薬物に対する感受性の差異がしばしば示されることに鑑みて,培養下のヒトの器官原基を以てする検索法の実用性を吟味したものである｡材料としては優生保護法に則って行なわれた人工妊娠中絶に由来する受精後約4-6週齢の胎芽86例をあてた｡これを一定期間冷蔵した上,その上又は下肢芽を採取し,一部は直ちに,大部分は WolfとHafen法(1952)の変法により培養した上,H.E.染色法とトルイジン青染色法により組織学的検索を行なった｡その結果,生体におけるものと類似した分化,即ち間葉より軟骨,骨原基その他支持組織 (骨格筋,血管など)の形成に至るまでの進行が認められた｡また,その速度は生体におけるものよりもおそく,別に培養されたマウスの肢芽において認められたものの約抑こあたることが知られた｡以上の研究はヒトの肢芽の碍養法が発生薬理学的又は発生生化学的研究などの手段として有用であることを示したもので,従来困難とされていたヒトにおける諸問題の打開に寄与するものと認められる｡よって,本論文は医学博士の学位論文として価値あるものと認める｡- 35 6 -

ヒト四肢原基の培養下における分化

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ヒト四肢原基の培養下における分化

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