Abstract

雑誌掲載版合流異常合併胆嚢43例(非拡張型19例、拡張型24例)の超音波(US)所見と切除胆嚢の病理組織学的所見を比較し、合流異常の早期診断におけるUSの有用性について検討した。その結果、全体では胆嚢壁肥厚を60%、胆嚢壁内側低エコー層肥厚あるいは胆嚢腺筋腫症のいずれかを82.9%に認めた。また、非拡張型では4mm以上の胆嚢壁肥厚を88.2%、更に胆嚢壁内側肥厚と胆嚢腺筋腫症の両方、あるいはいずれかを94.1%に認めたのに対し、拡張型ではそれぞれ33.3%、66.7%であった。以上より、検診の腹部USで壁肥厚や内側低エコー層肥厚、胆嚢腺筋腫症を認めた場合には、合流異常の存在を疑うことが本症の早期発見につながると考えられた。尚、USを契機に発見された合流異常の検討から、検診対象者のうち腹部症状の現病歴・既往歴のある者や女性に対しては、胆嚢壁の所見に深く注意を払いながらUSを行う必要があると示唆された

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