Abstract

雑誌掲載版症例は51歳,女性.左鼠径部腫瘤を主訴に来院.左鼠径ヘルニア嚢胞内水腫と診断し手術を施行.左側Gilbert分類Type 2で,ヘルニア嚢を高位結紮後に切除しProlene Hernia System(PHS)を用いてhernioplastyを施行した.ヘルニア嚢内部先端に,灰白色で径約3cm大の多胞性嚢胞が存在していた.病理組織診断はmultilocular mesothelial cystで,ケラチン,ビメンチン,カルレチニンおよびHBME-1陽性であった.経過は良好で,術後1年3ヵ月再発は認めていない.ヘルニア手術時に発見される腹膜中皮腫は稀で,本邦報告例は自験例を含め6例にすぎない.用手還納できない鼠径部腫瘤を診察した場合,本疾患も念頭に入れ術前診断・手術をする必要があると考えた

    Similar works